南三陸の「のぞみ福祉作業所/NOZOMI PAPER Factory」で作られているNOZOMI PAPER®。
牛乳パックや新聞紙をリサイクルして一枚一枚手漉き和紙の手法で作られていて、活版印刷すると文字がくっきりと刻印され、温かな手触りとともに、この紙に関わる人たちの息づかいも伝わってきます。
私たちも、名刺サイズとハガキサイズを使わせてもらっていて、手にするたびに、様々な想いが伝わってくる不思議な紙だなと思います。

この紙をプロデュースするご夫婦のデザインユニット、HUMORABOさんから、新しい原料での実験に取り掛かったとの一報をいただきました。HUMORABOさんが南三陸入りしたのは3月12日、翌日13日にさっそく実験中の写真を送っていただきました。

新しい材料は、本や雑誌の制作過程で大量に発生する「ゲラ」。使用済みコピー用紙です。
シュレッダーにかけたゲラに水を加えてミキサーにかけ、紙の原料にします。

原料を型に流し込んでいますね。粗いもの、細かくしたもの、粉砕の程度により紙の顔が異なってくるんですね。

水を切って、型から丁寧に紙を取り出すと、乾燥前の名刺用紙の原型が。

おっと。文字が見えます。赤字やエンピツ書き、付箋紙も全部まぜこぜ。どんな紙になるんだろう。

■Good Job! Award 2017会場で生まれたアイデアからさっそくプロジェクトが始まりました
2018年2月17日ー20日に、渋谷ヒカリエ8Fで開催された「Good Job!展 2017-2018」に出展中のHUMORABOさんをおたずねして、大量に発生するゲラの処分のお話をしたところ、「NOZOMI PAPER GERA(仮称)を作ってみますか?」という展開になりました。
翌日サンプルのゲラを封に入れ、記載内容が流出しないように等、取り扱い上のお願いをして、HUMORABOさんに託しました。

うちで出るゲラは、コピー用紙にインクジェットプリンターで印刷したもので、紙の節約からほとんどが両面印刷済みのコピー用紙です。そのためインク多め。付箋紙もあちこちにつけたままです。
写真では、NOZOMI PAPER NEWS(河北新報の新聞紙が原料)よりもかなり黒っぽくなりそうに見えます。
このあと、水切りした紙をプレスして天日でゆっくりと乾燥させて、ようやく1枚の紙になるはずです。
Good Job!展のNOZOMI PAPERの展示で、様々な植物や野菜で色づけされた美しいサンプルをご覧になった方も多いと思います。NOZOMI PAPERの可能性を感じましたね。

■紙の原料がたくさん集まる仕組みがあれば……
今回の使用済みコピー用紙の試みが、どんな結果になるかによりますが、NOZOMI PAPERの紙としてデビューできるものになれば、安心してゲラを託せる方法を考えて、集約する仕組みを作ることで、紙の原料が大量に集まるのではないか。そうすると、NOZOMI PAPER Factoryはじめ、全国の福祉作業所でも、継続的なお仕事として取り組んでいただけるかもしれない。
NOZOMI PAPERを中心に、私たちのような小さなプロダクションから大手出版社まで、そして本を販売する全国の本屋さん、本も取り扱う雑貨店、様々な人たちが繋がり、さらにNOZOMI PAPERが広がっていく。そんな妄想を抱いています。
NOZOMI PAPERは、HUMORABOさんのオンラインショップでも購入できます。
NOZOMI PAPERオンラインショップ

■「福祉とあそぶ」をテーマに活動を続けるHUMORABOさん
NOZOMI PAPER開発のきっかけは、東日本大震災の復興支援で「のぞみ福祉作業所」を訪れたことだそうです。
復興支援からはじまった活動から、作業所で働く人たちのプロ意識にもつながり、名刺やハガキサイズはもちろん、現在A3サイズまで、各種サイズ・形の紙を生産しています。1,000枚単位の受注に対応できる製品もあるそうです。
HUMORABOさんについては、こちらのGOODCROSSさんの記事に詳しく紹介されていますので、是非ご覧ください!
HUMORABO「福祉とあそぶ」夫婦デザインユニット