『デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―』(東京電機大学出版局様)の組版・装丁に携わりました。

『デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―』カバーイメージ

デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―
(デビッド・ミンデル 著、岩澤 ありあ 訳/2017年1月20日第1版第1刷発行/東京電機大学出版局)
ISBN 9784501630409

 世の中、便利になっていくのはよいことなのですが、テクノロジーがますますブラックボックス化していくことに一抹の不安を覚える今日この頃です。その昔、物理的なショックを与えることで調子の悪い電化製品やおもちゃが(一時的にしろ)直ったり、だましだまし使えた時代がありましたが、なんとなく人と機械が対話するような気分になったものでした。古き良き時代と言ってしまえばそれまでですが、昨今のように、ひとたび複雑化・精密化した機械が故障したとき、有無を言わせず大きなモジュールごと交換して修理してしまうという状況を見ると(修理と言えるのか甚だ疑問ではありますが)、なんだか使い捨てのごとく機械への愛着が失われてしまったかのようで、世知辛い世の中になったものだなぁとつくづく思う次第です。

 さて、前置きが長くなりましたが、このたび蝉工房では表記書目の組版(奥付を除く)および装丁に携わりました(編集は担当しておりません)。
 以下、内容を端的にあらわすものとして、訳者である岩澤ありあさんの序文を一部引用いたします。本書は、約50年前のアポロ計画のミッションのお話ですが、人と機械がどのように関わり、折り合いをどのように見出していくべきなのか、史実をもとにまとめ考察したものです。ややもすると、機械のすることを疑いなく受け入れてしまうであろう現代だからこそ、本書の存在意義を強く感じます。

人類初の月面着陸―アポロ計画。
歴史的偉業の裏で、人と機械がその役割をどのように分かち合ってミッションを達成したのか。本書は、人と機械に焦点を絞り、アポロ宇宙船の誘導制御システムが開発された過去にタイムスリップし、未来の有人宇宙飛行においても私たちに突きつけるであろう普遍のテーマを提示します。
…中略…
本書は、組込み技術、リスクマネジメント、ヒューマンエラー、システム工学、プロジェクト管理など、宇宙開発の分野のみならず、自動車業界、航空業界、建設業界、医療業界など、現代社会において共通する技術課題が豊富に語られています。将来、人が技術とどのように向き合っていくべきか、そのヒントが満載です。
…以下略…

デジタルアポロ « 東京電機大学出版局
http://www.tdupress.jp/books/isbn978-4-501-63040-9.html

デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦― | デビッド・ミンデル, 岩澤 ありあ |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/450163040X

『デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―』(東京電機大学出版局様) | 蝉工房
https://semikobo.jp/portfolio/9784501630409

【書評リンク】(随時追記)
どこまでを人に任せるべきか──『デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―』 – HONZ
http://honz.jp/articles/-/43751
…2017/01/28追記

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